画像検査装置がスジ・ムラを引き起こす?!

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迷光や微小な異物が存在するだけでスジ・ムラに!

画像検査装置では一般的に、照明から印刷物に光を照射し、その反射光もしくは透過光を撮像素子で受光することで印刷物の読取画像を生成します。

【正常時の画像検査】

【迷光がある場合の画像検査】
一方で、読み取りの際に、印刷物からの光ではない光(迷光)を撮像素子が受光すると、本来の印刷物の状態よりも読取画像が明るく生成されてしまいます。この読取画像を用いて補正を行ってしまうと、迷光で明るくなった部分を暗くしようと補正するため、印刷物に濃いムラを発生させてしまいます。

この迷光への対策としては、光路を制限して迷光が侵入しにくくすることなどが有効です。しかし、極端に光路を制限してしまうと、微小な異物でさえ光路を阻害し、読取画像に影響を及ぼしてしまいます。例えば、数mm程度の幅のスリットを迷光抑制部材として使用することは一般的ですが、このときに長さ1mmにも満たない糸くずが読み取り画像に影響を及ぼすこともあります。そのため、迷光対策ではその他複合的な要因を検討・評価しながら導入していく必要があります。

キャリブレーションなど装置内部の処理の不具合でもスジ・ムラは発生する

画像検査装置内部で行っている処理によってスジ・ムラが発生する場合もあります。
画像検査装置では撮像素子を用いて、照明から印刷物へ光を照射した際の反射光や透過光を読み取ります。その際、撮像素子の感度や照明の輝度のばらつきを補正するためのキャリブレーションという処理を、装置内部で実施することがあります。
しかし、このキャリブレーション処理に誤りがあると、読取画像を正しく生成できず、スジ・ムラを発生させてしまうことがあります。

例えばキャリブレーションを行う際には最初に光測定の際の基準となる白色基準板の読み取りを行いますが、その基準板に異物やインクミストなどが付着していると、キャリブレーションが正常に実施できないことがあります。
これらへの対応としては、画像検査装置内の風の流れの最適化、あるいは構造の密閉化による異物の侵入防止、基準板を移動させながらの読み取り平均化することによる異物影響の低減、が挙げられます。

迷光対策と異物対策の両立など画像検査装置全体での最適化が必要

しかしながら、こうした異物対策を実施する場合にも前述の迷光予防が必要となるなど、画像検査装置全体での最適化が必要となります。
富士フイルムのインクジェットコンポーネント製品「Samba JPC」 を構成する画像検査装置 (インラインスキャナ) では、Jet Press 開発を通じて培った技術を用いて、迷光対策と異物対策を両立し、画像検査装置全体での最適化を実現いたしました。

「Samba JPC」はJet Pressの開発経験で得た知見・技術を整理して組み込み、高解像度シングルパス・インクジェットプリンター開発に取り組む方にご活用いただけるようにしたコンポーネント製品です。「Samba JPC」を通じて私たちの知見・技術を活用いただき、御社の開発を効率化することで、プリンティングのデジタル化を一緒にリードし、インクジェット市場の拡大と発展に寄与したいと考えています。


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